与那国島字祖納の南西に屏風のようにそそり立つ標高100mのティンダバナは、台形状の地形をなしている。眼下には祖納集落の家並が展開し、東にウラブ岳、西には雄大な東支那海が一望され、天然の展望台になっている。展望台近くの岩陰には、豊富な湧水があり、この水は神聖な水とされており、島の祭事で一番目に行われるアラミディの際供えられる。岩壁には八重山の生んだ詩人伊波南哲の詩も刻まれていて、「歴史の丘」として島人たちのいこいの場所にもなっている。
ティンダバナに続く南の傾斜面には、与那国島の英雄の一人サンアイ・イソバが出生した古邑サンアイ村が立地し、彼女にまつわる旧跡も多く残されている。彼女は、16世紀の末頃に与那国島に君臨した女酋とされる人物であるが、巨体で剛力の持主であったといわれ、政治をよくし島人から尊崇を集めたと語り伝えられている。
あの日登った てんじゃばな
雲もほうやり 浮かんでいた
バンジュロの花も 咲いていた
あの日登った きりぎしに
今日はペタコが 鳴いている
チロチロ清水の 音もして
いつかのぼった てんじゃばな
ナンタの離れにチラチラと
花のすすきも ゆれていた
住所 | 与那国町与那国368 |
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